賃貸住宅で快適な暮らしを実現するためには、キッチンの配置やリビングとのつながり方が非常に重要です。中でも壁付けキッチンは、限られた空間でも生活動線を確保しやすく、家具の配置がしやすいという理由から、縦長リビングの賃貸物件やアパートでよく選ばれています。
本記事では、7畳や8畳レイアウトの部屋から、10畳LDK・12畳LDKといった広さごとの最適な活用法を紹介します。収納や視線の抜けを意識した配置、家具選びのコツ、団地レイアウトに合うアレンジなど、実践的なアイデアを盛り込みました。
壁付けキッチンはおしゃれで機能的ですが、選び方を間違えると後悔につながるケースも少なくありません。横長リビングが狭いと感じる理由や、収納が足りないときの解決法なども丁寧に解説します。
自分の暮らしに合ったキッチンレイアウトを見つけたい方にとって、参考になるヒントが満載です。
- 縦長の賃貸空間に合う壁付けキッチンの具体的なレイアウト方法
- 部屋の広さ別(7畳~12畳LDK)の家具配置と収納の工夫
- 空間を広く見せるためのゾーニングや照明の活用テクニック
- 壁付けキッチンで後悔しないための注意点と対策
賃貸の壁付けキッチン、縦長の最適レイアウト

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- 7畳のダイニングに合う家具配置術
- 8畳のレイアウトで映える収納とは
- 10畳LDKを広く見せる配置のコツ
- 12畳LDKのゾーニングアイデア
- 壁付けキッチンで後悔しない選び方
7畳のダイニングに合う家具配置術

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7畳の縦長ダイニングには壁付けキッチンが最適です。というのも、限られたスペースの中で生活動線を確保しながら、快適な調理や食事ができる環境をつくるには、キッチンを壁側に寄せる配置がもっとも効率的だからです。
このようなレイアウトにすることで、キッチンとリビングの間に無駄な空間が生まれにくくなり、家具の配置もしやすくなります。例えば、キッチン背面にはコンパクトな食器棚やカウンターを設置し、テーブルはキッチンと並行に置くと、空間を無駄なく使えます。
また、通路スペースも広めに取ることができるため、複数人が出入りするような場面でもスムーズな移動が可能になります。壁付けの棚やフックを活用すれば、収納力を確保しながら視界を妨げることもありません。
7畳というコンパクトな空間であっても、家具のサイズ感や配置バランスを意識することで、快適なダイニングスペースを作り出すことができます。
8畳のレイアウトで映える収納とは

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8畳の縦長レイアウトでは、収納の工夫が部屋全体の印象を大きく変えます。広く見せるためには「見せない収納」と「高さを活かした収納」が重要だからです。収納が整っていると、生活感が出にくく、スッキリとした空間を保ちやすくなります。
たとえば冷蔵庫の上に棚を設けることで、普段使いしない調理道具やストック食品を見えない場所に収納できます。キッチン横の壁面に突っ張りラックを設置すれば、フライパンや調味料などを取りやすい位置に置きつつ、床面を広く使うことができます。
色味を揃えた収納ボックスを使うと、視覚的にもまとまりが生まれ、雑然とした印象を避けられます。収納棚の扉を付けることで中身が見えにくくなり、来客時にも安心です。
収納アイテムを選ぶ際には「機能性」と「圧迫感のなさ」、そして「見た目の統一感」の3点を意識することで、限られた空間でも快適で広々とした印象を保てるようになります。
10畳LDKを広く見せる配置のコツ

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10畳LDKは一見広そうに感じますが、実際に家具を置いてみると想像以上に圧迫感が出てしまうことがあります。特に、キッチンとリビング、ダイニングの機能を1つの空間にまとめる必要があるため、家具の選び方や配置によって、快適さに大きな差が出るのです。
そこで注目すべきポイントが、キッチンとリビングの境界を明確にする配置です。この工夫によって、空間にメリハリが生まれ、生活のしやすさが向上します。
例えばキッチン側にはあえて低めの収納家具を選んで配置することで、視線の通りを遮らず開放感を演出できます。また、背の高い家具は壁際に配置し、中央部分はできるだけ空けておくと、空間に余裕が出て動きやすくなります。
さらに、ダイニングテーブルを縦に配置することで、キッチンからリビングへの動線が自然に確保され、家事の効率も上がります。もしスペースに余裕があれば、テーブルの片側を壁に寄せることで、さらに通路幅を広げることが可能です。
家具の高さ・ボリューム・配置方向といった要素に気を配ることで、10畳という限られたLDK空間でも、視覚的にも体感的にも広々とした住まいをつくることができます。
壁付けキッチンレイアウト👩🏻🍳
後ろに作業台を設置して調理スペースを増やしました◎ pic.twitter.com/vnZVCmQ5qd— 蕪 (@kabu_glam) June 6, 2023
12畳LDKのゾーニングアイデア

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12畳のLDKは比較的自由度が高いですが、空間を区切る工夫をすることでより快適なレイアウトが可能になります。理由は、ゾーニングによって生活スペースにメリハリをつけられ、使う人のライフスタイルに合わせた空間設計ができるからです。
リビングとダイニングの境界にカーペットやラグを敷くだけでも、視覚的な区分けができ、空間に「目的別の雰囲気」を演出することができます。さらに、背の低いシェルフや食器棚を仕切りとして使えば、開放感を保ちながらエリア分けが可能です。観葉植物やパーテーションも取り入れれば、空間に柔らかさや個性を加えられます。
また、照明にも工夫を加えることでゾーニング効果は高まります。たとえば、ダイニングにはペンダントライトを使い、リビングには間接照明を置くことで、それぞれの役割が視覚的にも明確になります。これにより、部屋全体に一体感がありつつも、各エリアが独立した空間として機能するのです。
家具やファブリック、照明といった要素を活用したゾーニングは、部屋にメリハリをつけるために効果的であり、12畳のLDKでもその実践によってより快適で機能的な空間を作り出せます。
壁付けキッチンで後悔しない選び方

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壁付けキッチンには利点が多い一方で後悔するケースもあります。特に、収納スペースが限られていることや、生活感がダイレクトに部屋全体へ伝わりやすいというデメリットが挙げられます。これらの要因は、毎日の生活の中で徐々にストレスに感じられてくる可能性があります。
これを防ぐためには、事前にどれだけ収納力を確保できるかを見極めることが重要です。例えば、吊戸棚のある物件を選ぶと、上部の空間を無駄なく使え、普段あまり使わない調理器具やストック品などをしまっておくことができます。また、シンク下の収納スペースを活用するために、仕切りやスタッキングボックスなどを用意すると、物の出し入れがしやすくなり、整理整頓もしやすくなります。
調理道具や調味料をすぐに取り出せるように壁面収納を設置したり、突っ張り棚を活用して空中スペースを有効利用する工夫も効果的です。収納ラックの導入に加えて、見せる収納と隠す収納をバランス良く取り入れることで、生活感を抑えつつ使いやすさも確保できます。
このようにあらかじめ必要な収納計画を立てておくことができれば、見た目も美しく、使い勝手にも優れた壁付けキッチンに仕上がります。後悔の少ない、満足度の高いキッチン空間を手に入れることができるでしょう。
賃貸でも快適な壁付けキッチンの縦長レイアウトとは

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- 縦長リビングの家具選びの基本
- 横長リビングが狭いと感じる理由
- 団地のレイアウトに生かす工夫とは
- 賃貸アパートでも使える時短動線
縦長リビングの家具選びの基本

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縦長リビングでは、家具のサイズ感と配置の工夫が非常に重要です。通路と生活スペースの両方を確保しなければならないからです。空間が縦に長いため、家具の置き方次第で快適さが大きく変わってきます。特に、動線を邪魔しないように家具を配置しないと、暮らしにくさを感じることがあります。
背の低いソファや奥行きの浅いテレビ台を選ぶことで、圧迫感を軽減しながら視線の抜けを保ち、空間を広く見せることができます。背の高い家具は壁際にまとめると、中央部分がすっきりし、移動もスムーズになります。リビングの中心を空けるように心がけることで、室内の見た目にも開放感が生まれます。
また、壁寄せにした配置は、家具の裏側にホコリが溜まりにくく、掃除のしやすさにもつながります。テレビや収納棚を壁にぴったりつけることで、床面を広く使えるだけでなく、空間全体にゆとりを感じさせることができます。観葉植物や間接照明などを活用すれば、壁際でもデザイン性を損なうことなく居心地の良さをプラスできます。
縦長リビングでは「小さめ・低め・壁寄せ」が家具選びの基本であり、見た目だけでなく動きやすさや使いやすさを意識することが、快適な空間づくりにつながります。
横長リビングが狭いと感じる理由

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横長リビングで「狭い」と感じるのは、視線の抜けが悪く家具が壁を遮る形になることが多いからです。つまり、横幅を遮る家具が視線を分断してしまい、空間全体が区切られたように見えることで、実際の面積よりも狭く感じられてしまうのです。
特に、大型のソファや収納棚を部屋の中央や通路付近に置くと動線をふさいでしまい、圧迫感が増してしまいます。
このため、家具はなるべく横に広がらず、縦に収納できるものを選ぶと空間に余裕が生まれます。たとえば、背の高いスリムなシェルフやラックを使えば、床面積をあまり取らずに収納力を確保することができます。また、家具は壁際に寄せて配置し、中央部分には何も置かないようにすることで、視線が抜けて広々とした印象になります。
色の統一感を意識することも空間を広く見せる工夫の一つです。壁や床に近い色の家具を選ぶことで、家具が風景に溶け込み、圧迫感を感じにくくなります。鏡を使って奥行きを出したり、照明を工夫して陰影をつけるのも効果的です。
このような工夫を重ねることで、限られた横長スペースでも快適で広く感じられる居住空間をつくることができます。
団地のレイアウトに生かす工夫とは

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団地のような古い賃貸住宅では、壁付けキッチンのレイアウトを工夫することで、日々の暮らしがより快適になります。団地は昭和期に多く建設されたこともあり、間取りが画一的でありながらも、現代のライフスタイルとは異なる配置がされているためです。そのため、家具の置き方やキッチン周辺の使い方を工夫することで、住まいに個性と機能性を持たせることが可能になります。
キッチン背面に冷蔵庫や食器棚を一列に並べて配置し、奥行きよりも横幅を活かしたレイアウトにすることで、通路が広がり、調理中の動きもスムーズになります。これは限られた空間を効率よく活用する上で非常に有効な方法です。また、壁面にフックやマグネット収納を活用すれば、小物類をすぐに取り出せるようになり、作業効率もアップします。
家具の色調や素材を統一することで、団地特有のレトロ感を活かしつつ、洗練された雰囲気も演出できます。例えば、木目調の家具と白系の壁面収納を組み合わせると、落ち着いた空間を演出できますし、観葉植物を配置すれば温かみのある雰囲気にもなります。
団地の限られたスペースでも、ちょっとした工夫を重ねることで、機能性とデザイン性のバランスが取れた住まいをつくることができるのです。
なお、団地住宅の設計や建設時期に関する詳細な情報は、国土交通省の資料で確認できます。
(参考:国土交通省「住宅団地の実態調査の概要」)
コンパクトで機能的な団地のキッチンが好き pic.twitter.com/3im5rUCAiW
— 白樺舎 (@studio_obento) April 16, 2025
賃貸アパートでも使える時短動線

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キッチンの動線を意識することで、日々の料理や片付けがスムーズになります。これは特に賃貸アパートのようなスペースに制限がある環境において、非常に重要なポイントです。調理や後片付けの際に無駄な移動が多いと、時間も体力も余計に消費してしまい、家事そのものがストレスに感じられることがあるからです。
たとえば調理台のすぐ横にゴミ箱と作業スペースを確保するだけで、切った食材のゴミを即座に捨てられるため手間が省けますし、作業スペースもすぐに確保できて効率的です。よく使う調味料やツールを壁面収納にまとめることで、取り出しやすさが格段に向上し、探す手間が減ります。
前述のとおり、わずかな工夫やアイテムの配置の見直しだけでも、キッチンの使い勝手は大きく改善されます。時短効果と快適な作業環境の両立が可能となり、毎日の家事が少し楽になるのです。
賃貸における壁付けキッチンの縦長レイアウトを総括
記事のポイントをまとめます。
- 7畳の縦長空間には壁付けキッチンが動線確保に有効
- キッチンとテーブルを並行に配置すると空間を無駄なく使える
- 壁付け棚やフックで収納力と視界の抜けを両立できる
- 8畳レイアウトでは高さを活かした収納が空間演出に効果的
- 冷蔵庫上や壁面を活用して収納効率を高めると良い
- 色や形を統一した収納で部屋の印象を整えやすくなる
- 10畳LDKでは家具の高さと配置で広さを演出できる
- キッチンとリビングの境界づけが快適性を左右する
- テーブル配置によって動線を自然に確保しやすくなる
- 12畳LDKはゾーニングによって空間に役割を持たせるのが重要
- 照明やラグを使ったエリア分けが視覚効果として有効
- 壁付けキッチンは収納不足と生活感の露出に注意が必要
- 吊戸棚やスタッキングボックスで上部・下部の空間を有効利用
- 縦長リビングでは家具の低さと壁寄せが開放感を生む
- 横長リビングには縦型収納と色の統一感が広さ演出に役立つ