カップボードを設置した際に気になるのが、壁との微妙な隙間です。この隙間を放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、ホコリやゴミが溜まりやすくなり、掃除の手間も増えてしまいます。特にキッチンのように清潔感が求められる空間では、しっかりと隙間を埋める工夫が欠かせません。
この記事では、隙間をコーキングで美しく処理する方法や、家具と壁の隙間をスポンジで簡単に埋めるアイデア、棚の後ろの空間をテープで目隠しする実用的なテクニックなどを紹介します。また、机と壁の隙間を埋める100均アイテムの活用法も解説しています。
さらに、リクシルカップボードの巾木への対応方法や、ニトリのカップボードを壁付けする際のポイント、壁付けをしない・固定しない配置の工夫も取り上げています。自分で壁付けをする際の費用や必要なDIY道具についても触れ、初心者の方にも分かりやすくまとめました。
カップボードと壁の隙間を埋めるための実用的なアイデアや製品情報を幅広く網羅しているので、納得のいく仕上がりを目指すための参考にしてみてください。
- カップボードと壁の隙間を埋めるための具体的な方法
- 100均アイテムやコーキング材など実用的な活用例
- メーカーごとの隙間対策や設置時のポイント
- DIYで壁付けを行う際の費用と準備する道具
カップボードと壁の隙間を埋める方法

ストウデン・イメージ
- 隙間をコーキングできれいに仕上げる
- 家具の隙間にスポンジを使うアイデア
- 棚の後ろをテープで手軽に目隠し
- 机と壁の隙間を100均グッズで埋める
- 壁付けしない・固定しない配置の工夫
隙間をコーキングできれいに仕上げる

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コーキングは、壁とカップボードの間に生じた隙間を目立たせず、見た目にも美しく仕上げるための効果的な方法です。柔らかくて弾力のある素材でできたコーキング剤は、壁や家具の表面にあるわずかな凹凸にも柔軟に密着し、隙間を自然にカバーしてくれます。
特に2〜3mmほどの細いすき間であれば、シリコン系のコーキング剤を使って丁寧に充填することで、きれいに仕上がるだけでなく、日々の掃除も楽になります。こうしたすき間にコーキングを施しておけば、ホコリや小さなゴミが奥に入り込むのを防ぐことができ、キッチンなど衛生管理が求められる場所でも安心して使えます。
また、コーキング剤にはさまざまなカラーや質感の製品が用意されており、カップボードや壁の色合いに合わせて選べるのも魅力のひとつです。見た目にこだわりたい方にとっては、インテリア全体との調和も図りやすいでしょう。近年ではカスタムカラー対応の製品も登場しており、より細かな調整も可能です。
ただし、一度施工すると固まってしまい、簡単には剥がせなくなるという特性があります。特に古いシリコンの上に新しいシリコンを重ねても接着しないため、再施工する場合は既存のコーキングを完全に除去する必要があります。このため、将来的に家具の位置を変える可能性がある場合や、可動式の収納と組み合わせる場合には慎重な判断が必要です。場合によっては、取り外し可能な素材や別の方法を検討するのが賢明かもしれません。
家具の隙間にスポンジを使うアイデア

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スポンジは、カップボードと壁の間にできた隙間を手軽に埋める素材として非常に便利です。その大きな魅力は、柔軟性の高さにあります。スポンジは変形しやすく、さまざまな幅や形状の隙間に対応しやすいため、狭いスペースにもぴったりフィットします。
例えば、カップボードと壁の間に数センチの隙間があったとしても、スポンジをそのサイズに合わせてカットし、押し込むことで目立たずに隠すことができます。この方法は特別な道具を必要とせず、DIY初心者でも簡単に作業ができる点も魅力です。
さらに、スポンジ素材はホコリや小さなゴミが入り込むのを防ぐ役割も果たしてくれます。掃除が面倒な隙間に対して、スポンジを使って対策することで、日々の清掃の負担を軽減できます。スポンジが汚れてしまった場合には取り外して交換するだけで済むため、清潔さを保ちやすい点もメリットです。
ただし、長期間そのままにしておくと、スポンジは空気中の湿気や油分などの影響を受けて劣化しやすくなります。時間が経つにつれて硬くなったり、色が変わって見た目が悪くなったりする可能性があるため、定期的に状態を確認し、必要に応じて新しいものに交換することをおすすめします。
棚の後ろをテープで手軽に目隠し

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テープを使って棚の後ろの隙間を隠す方法も、簡単かつ実用的な選択肢の一つです。この方法の大きな利点は、費用をかけず、道具も特別に用意することなく、短時間で実践できる点にあります。例えば、木目調や白の目隠しテープを使えば、カップボードと壁の間にできたわずかな隙間を目立たなくすることができ、空間全体の印象をすっきりと整えることが可能です。テープの種類によっては質感や色もさまざまで、インテリアに合わせて選ぶことで統一感も演出できます。
また、テープは必要に応じてすぐに剥がせるため、仮の処置や見た目重視の場面で特に重宝します。たとえば、来客時に急いで隙間を隠したい場合でも、目隠しテープで即座に対応できます。マスキングテープのように貼って剥がせるタイプも多く、市販されている木目調テープの中には耐水・防カビ加工が施された製品もあります。
ただし、凹凸のある壁やホコリが付着したままの面に貼ると、粘着力が十分に発揮されず、すぐに剥がれてしまうことがあります。そのため、貼り付け前に壁や家具の表面をきれいに拭いておくことが重要です。湿気の多いキッチンなどで使用する際には、粘着力が落ちにくい耐水タイプを選ぶとさらに安心でしょう。さらに、ガスコンロなど熱を扱う場所で使う場合は、紙製ではなく耐熱性のあるPVCやシリコン製のテープを選ぶと安全性も高まります。
机と壁の隙間を100均グッズで埋める

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100円ショップの商品でも、隙間埋めに活用できるアイテムは数多く揃っています。ダイソーやセリアといった店舗では、すきまテープ、クッションテープ、防水テープなどが税込110円で販売されており、その手軽さとコストパフォーマンスの高さから、多くの家庭で選ばれているのが特徴です。中でも特に人気なのが、クッション材や隙間パッドといった柔らかい素材の製品です。これらは、机と壁のすき間など狭いスペースに簡単にフィットし、設置も非常に簡単です。
例えば、キッチンで見られる隙間には、キッチン用として販売されている防水タイプのすきまテープを使うのが効果的です。必要な長さにカットして、壁や家具の側面に貼るだけで設置完了となり、ゴミやホコリの侵入を防ぐことができます。また、滑り止め機能のあるものや防カビ加工が施されているタイプもあり、使用場所に合わせて選ぶ楽しさもあります。
さらに、カラーバリエーションが豊富なため、部屋のインテリアに合わせて選ぶこともでき、見た目にも配慮した対応が可能です。DIY初心者にとっても扱いやすく、工具を使わずに施工できる点も大きな魅力でしょう。
ただし、100均グッズは価格が手頃な分、素材の耐久性に限界があります。長く使っていると接着面が剥がれたり、素材自体が劣化することもあるため、定期的に状態をチェックして、必要に応じて交換することが大切です。特に屋外や高温・湿気の多い場所では、粘着力が落ちやすくなる可能性があるため、使用環境に応じた選択が重要です。
壁付けしない・固定しない配置の工夫

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壁にぴったりと付けずに、あえて隙間を残して活かす方法も有効なアプローチのひとつです。特に限られたスペースの中では、空間の使い方次第で収納力やインテリア性が大きく変わってきます。隙間をデッドスペースにしないためには、活用の工夫が重要です。
例えば可動式の収納家具を設置することで、必要に応じて物の出し入れがしやすくなります。また、観葉植物を飾ることで、隙間に緑を取り入れつつ、空間に柔らかさとアクセントを加えることができます。こうした演出は見た目の印象を良くするだけでなく、リラックスできる雰囲気をつくるのにも一役買ってくれます。
さらに、カップボードと壁の間にちょうど合うサイズの細長いラックを置けば、調味料やカトラリー、キッチン雑貨などの収納スペースとしても活用可能です。収納の一部として利用できることで、キッチン周りの整理整頓にも貢献します。
注意すべき点として、設置するアイテムの安定性があります。特に高さのある棚や重さのある物を置く場合は、地震や衝撃で倒れないように重心の位置や固定方法に気を配ることが大切です。安全性と利便性のバランスをとることで、安心して使える快適な空間づくりが可能になります。
カップボードと壁の隙間を埋める。実例とDIY

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- ニトリのカップボードを壁付けする
- リクシルのカップボードを設置する際、巾木はどうする?
- 壁付けをDIYで行うときの費用
- キッチンの掃除をしやすく保つ工夫
ニトリのカップボードを壁付けする

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ニトリのカップボードは、基本的に壁付けしなくても十分に安定性を保つ設計になっていますが、使用する場所や設置状況によっては、壁との間に生じる隙間が気になるケースもあります。こうした場合には、見た目や使い勝手の面からも、適切な固定方法を検討するのがおすすめです。
たとえば、L字型の金具を用いて家具の背面を壁に軽く固定することで、隙間を目立たなくし、家具のぐらつきも抑えることができます。DIYで設置する際は、ビスを打つ前に下地探し用のチェッカーで壁裏の柱を確認し、石膏ボードだけの場所に打ち込まないよう注意が必要です。
また、カップボードの構造や設置する壁の材質に応じて、専用のすき間埋めパネルやフィラー材を活用する方法もあります。これらのパーツは、家具本体と壁の隙間を埋めつつ、インテリア全体の統一感を損なわないようにデザインされているものが多いため、見た目にも配慮された仕上がりが可能です。
さらに、隙間を活かして収納スペースを追加したい場合は、細型のラックや収納ケースを差し込むという方法もありますが、固定との併用は慎重に行う必要があります。特に、転倒防止や安全性を確保したい場合には、家具の上部を壁面に軽く固定するだけでも安心感が得られるでしょう。
なお、ニトリでは粘着式の耐震グッズ「不動王」なども販売されており、壁に穴を開けたくない賃貸住宅などでも使いやすい製品です。突っ張り棒や滑り止めマットなどと組み合わせることで、壁を傷つけずに固定する方法も選択肢として挙げられます。こうした工夫をすることで、原状回復が求められる物件でも柔軟に対応することができ、より快適な空間づくりが実現します。
リクシルのカップボードを設置する際、巾木はどうする?

リクシル・公式
リクシルのカップボードを設置する際には、壁に設置された既存の巾木が干渉するケースが多く見られます。このような場合、巾木の処理方法をあらかじめ検討しておくことが、美しい仕上がりとスムーズな施工につながります。
一般的には、巾木を取り外す、またはカップボードの背面を加工して巾木部分を逃がす「巾木よけ加工(欠き取り)」が必要になります。リクシルのカップボードには、こうした状況に対応するため、「可変エンドパネル」や「パネルフィラー」などを用いて、設置時に壁や床との隙間をきれいに調整することが可能です。
「可変エンドパネル」は、壁の凹凸や巾木に合わせてフィットさせることができ、巾木を取り外さずに済むケースもあります。また、数ミリ〜数センチの隙間を埋める「ヒモ材」や「パネルフィラー」は、カップボード本体と同色の仕上げで提供されており、インテリアの統一感を損なうことなく隙間をカバーできます。
こうした部材は、カップボード購入時にあらかじめオプションとして選んでおくことが推奨されます。後付けが難しい部材もあるため、事前にショールームで設置環境や隙間の有無を確認し、必要に応じて商品カタログで仕様をチェックすることが重要です。適切な部材選びにより、施工時のトラブルを回避し、長く快適に使えるキッチン空間を実現することができます。
壁付けをDIYで行うときの費用

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壁付けを自分で行う場合、業者に依頼するよりもはるかに安価に済ませることができるため、費用を抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。必要な道具と材料を自分でそろえるだけでよく、多くの場合で数千円程度の出費にとどまります。例えば、L字金具(4個で600〜800円程度)、ビス、ドライバー、補強用の木材、水平器などを準備すれば、基本的な壁付け作業が可能になります。
最近ではホームセンターやネットショップでDIY用の壁付けキットも販売されており、例えばパイプ装飾タイプの8インチLブラケット6個セットなどが購入できます。こうしたキットには説明書や動画リンクが付属していることも多く、初心者でも比較的手軽に取り組むことができるようになっています。初めて挑戦する方にとっては大きな助けとなるでしょう。
ただし、DIYに慣れていない方が無計画に作業を進めると、仕上がりが不安定になったり、壁に予期せぬダメージを与えてしまうこともあります。特にビスを打つ位置を間違えると、強度不足や水平のズレが生じる原因になります。これらの失敗を防ぐためには、事前に設置場所をしっかり測定し、家具の重さやバランスを考慮したうえで、固定箇所を慎重に決めることが重要です。
また、壁の材質によっては通常のビスでは対応できないこともあるため、石膏ボード用のアンカー(例:50本入りで約1,250〜1,870円)や特殊な固定具を用意する必要があるケースもあります。加えて、下地探し用のチェッカーを使用して壁裏の構造を把握しておくと、より安全で確実な施工が可能です。こうしたポイントを事前に確認し、適切な計画を立てたうえで取り組むことで、仕上がりに満足できる安全な施工が可能になります。
キッチンの掃除をしやすく保つ工夫

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隙間を埋めることは、キッチンの清掃性を保つうえでも非常に有効な手段です。特に、ゴミやほこりは一度隙間に入り込んでしまうと掃除しにくく、日常的な清潔さを保つ妨げとなることがあります。そのため、あらかじめ隙間をふさいでおくことで、掃除の頻度や手間を大幅に軽減することが可能になります。
例えば、マスキングテープを隙間部分に貼っておくと、簡易的ではありますが、ホコリや汚れがたまるのを防げるうえに、テープが汚れたときには手軽に剥がして交換するだけで衛生的な状態を維持できます。マスキングテープは種類や色も豊富で、キッチンの雰囲気に合わせて選ぶこともできるため、見た目を損なわずに使用できるのも利点です。
また、テープ以外にも、シリコンの目地材や薄型のクッション材を使うことで、よりしっかりと隙間を密閉することも可能です。これにより、より長期的にホコリの侵入を防ぐことができるため、掃除の手間を最小限に抑えつつ、見た目も整った仕上がりになります。
ただし、隙間を完全にふさぐことによって、換気の妨げや湿気のこもりが発生することもあるため、使用場所や通気性の必要性に応じて素材や方法を選ぶことが重要です。換気口周辺などの箇所では、通気性のある素材を選ぶか、隙間を完全には塞がず適度な空間を確保するなど、工夫を取り入れることが求められます。
カップボードと壁の隙間を埋める18のポイント
最後に記事のポイントをまとめます。
- コーキング剤で2〜3mmの隙間をきれいに充填できる
- シリコン系コーキングは掃除の手間を軽減する
- カラー・質感を選べるためインテリアになじみやすい
- スポンジ素材は柔軟性があり隙間にフィットしやすい
- スポンジは交換が容易で衛生面でも優れている
- 目隠しテープは貼るだけで隙間をカバーできる
- 耐水・防カビテープは湿気の多い場所に適している
- 耐熱性テープはコンロ周辺など熱源近くにも使える
- 100均のすきまテープは手軽に導入できコスパが高い
- クッションパッドは机や壁の隙間にも使いやすい
- 防水・滑り止め機能付きのテープも選択肢にできる
- リクシルの可変エンドパネルは巾木よけに便利である
- ヒモ材・パネルフィラーは見た目の一体感を高める
- カップボードと壁の隙間に収納ラックを設置する活用法もある
- 可動式収納を使えば使い勝手と柔軟性が増す
- 観葉植物などで空間にアクセントを加える方法も有効
- ニトリのカップボードは固定しなくても安定しやすい
- 壁付けDIYはコストを抑えつつ自由な配置が可能になる