キッチンの機能性やデザイン性を重視して、ハイカウンターのカップボードを導入する方が増えています。しかし実際には、使い始めてから「思っていたのと違った」と感じるケースも少なくありません。とくに、炊飯器の置き場が狭くなる、キッチンのゴミ箱スペースが足りない、カウンターの高さが身長に合わないなど、日々の使い勝手に直結するデメリットが見過ごされがちです。
人気のあるパナソニックのラクシーナやトクラスのカップボードも、設置の仕方やプラン次第では後悔につながることがあります。吊り戸棚なしでスッキリ見せたいと思っていたのに、収納が足りずに使い勝手が悪化したり、リクシルのカップボードで下だけの仕様を選んでしまい、結果として日用品の置き場に困ってしまうといった声も見受けられます。
この記事では、ハイカウンターに関するよくある後悔とそのデメリットについて、具体例を交えながらわかりやすく解説します。後悔を避けるための事前チェックポイントなども紹介しますので、快適なキッチンづくりの参考にしてみてください。
- カップボードのハイカウンターが抱える具体的なデメリット
- 身長や作業動線に合ったカウンター高さの選び方
- パナソニック・ラクシーナやトクラス製品の特徴と注意点
- 吊り戸棚なしや下だけ収納で後悔しないための対策
カップボードのハイカウンターで後悔!デメリットは?

ストウデン・イメージ
- ハイカウンターの主なデメリット
- パナソニックのラクシーナの使い心地
- 炊飯器の置き場として
- キッチンカウンターの高さが身長に合わないことも
- ゴミ箱スペースについて
ハイカウンターの主なデメリット

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ハイカウンターには使い勝手の面で、いくつかのデメリットが存在します。見た目の美しさや高級感を重視して設置されることが多いハイカウンターですが、一方で実際の生活動線や日常の作業のしやすさにおいて不便を感じる場面もあるのが現実です。
その主な理由は、天板の高さです。高い位置に設けられたカウンターは、調理中に腕が上がりすぎて疲れやすくなったり、物の受け渡しがスムーズに行えなかったりすることがあります。料理中にカウンター越しに食材や器を渡す際、腕を持ち上げる動作が大きくなり、不自然さを感じることがあるのです。
一般的に快適な作業高さの目安は「身長÷2+5cm」とされており、例えば身長160cmの人であれば、約85cmが理想とされます。しかし、ハイカウンターの天板は90cm〜95cm以上になることも多く、特に身長が低い方にとっては高すぎて疲労の原因になる場合があります。
さらに、カウンターが高すぎると座っている人との目線が合いにくくなり、空間に壁ができたような印象を与えてしまいます。その結果、リビングダイニングとキッチンの一体感が損なわれ、家族や来客とのコミュニケーションにも影響が出ることがあります。特に、対面式キッチンにおいては、目線のずれが日常的なやりとりに支障をきたす場合もあるのです。
これらの要素を踏まえると、ハイカウンターを導入する際は、単にデザイン性や流行だけで判断するのではなく、自分たちの生活スタイルや日々のキッチンでの動き方、家族構成などを細かく想定することが欠かせません。導入後に後悔しないためにも、ショールームでの実際の立ち姿勢や作業シミュレーションなどを通じて、具体的な使用シーンを思い描きながら選ぶようにしましょう。
パナソニックのラクシーナの使い心地

パナソニック・公式
パナソニックのラクシーナは、洗練されたデザインと高い機能性が評価されているシステムキッチンのひとつです。美しい外観や使いやすい収納設計などが特長で、多くの家庭で採用されており、高い評価を得ています。ただし一方で、ラクシーナを選んだあとに後悔する声も一部では見受けられます。
その主な理由のひとつは、カップボードとの相性や導入時のプランニングによって、収納スペースや家電の配置に制約が生じるケースがあることです。例えば、炊飯器や電子レンジなどを配置する際、スペースが狭くて扉の開閉がしづらかったり、蒸気の逃げ道が確保できず湿気がこもりやすくなることがあります。これが続くと、周囲のカウンターや壁面にダメージを与える可能性も否定できません。
コンセントの位置や数が足りず、延長コードを使用せざるを得ないというケースも見られます。こうした問題は、設置後に初めて気づくことが多く、実際に使用し始めてから不便さを感じることがあるようです。
キッチン全体の動線や調理中の移動距離にも影響が出る場合があります。例えば、冷蔵庫から食材を取り出し、調理台を経由して加熱機器へと移動する一連の動作の中で、収納配置が適切でないと手間が増え、調理の効率が下がるといった不満につながることもあります。
こうした後悔を避けるためには、購入前にキッチン全体のレイアウトを立体的に把握し、動線・収納・家電配置のバランスをシミュレーションすることがとても重要です。事前に実寸を測り、実際の生活スタイルをイメージしながら選ぶことが、満足度の高いキッチンづくりにつながります。
ラクシーナ自体は非常に完成度の高い製品ですが、ライフスタイルや間取りに合った設計がなされていなければ、その魅力を十分に引き出せない可能性もあります。
炊飯器の置き場として

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炊飯器の置き場所を確保するのは、ハイカウンターのカップボードでは意外と難しいことがあります。高さのあるカウンターではフタの開閉に支障が出るケースがあり、日常の使い勝手に影響を及ぼすことがあるからです。特に、炊飯器のフタは上方向に大きく開くため、上部に十分な空間がないと全開できず、操作やお手入れがしづらくなるのです。
例えば、カウンター下に設けた家電収納スペースが十分でない場合、炊飯器から出る蒸気がカウンターの裏面に直接当たり、湿気による劣化や熱による変色の原因になることもあります。これにより、せっかく選んだ高級カウンターが短期間でダメージを受けてしまうこともあるため注意が必要です。また、蒸気がこもることで室内の湿度が上がりやすくなり、他の家電やキッチン設備に影響を与える可能性も考えられます。
さらに、炊飯器は炊飯時の振動や熱の影響を考慮する必要があるため、安定性のある設置面が求められます。スライド式の家電収納があれば、使用時に引き出して蒸気を逃すことができるため、こうした不便をある程度回避できます。炊飯器を置く場所を確保する際は、カウンターの下部スペースだけでなく、蒸気の逃げ道や開閉スペース、動作中の安全性なども考慮し、事前に実寸を測った上で、実際の使用をイメージして配置を検討することが安心です。

キッチンカウンターの高さが身長に合わないことも

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カップボードのカウンター高さは、キッチンでの作業効率と快適さを大きく左右する非常に重要なポイントです。使う人の身長に合っていないカウンターの高さは、日常の調理作業において体への負担を増やす原因になるからです。実際、カウンターが高すぎると、肩や腕を上げたままの姿勢を強いられ、長時間の作業で疲れやすくなります。逆に低すぎると腰をかがめる姿勢になり、腰痛を引き起こす可能性もあります。
例えば、身長が150cm前後の方が一般的なハイカウンター(約95cm前後)を使用すると、位置が高すぎて作業がしにくく集中しづらくなることがあります。また、子どもと一緒に調理する家庭では、カウンターが高すぎると子どもが手伝いにくくなり、家族のコミュニケーションの場としての役割も果たしにくくなります。
こうしたミスマッチを防ぐためには、カウンター高さを身長に応じて選ぶことが欠かせません。目安としては前述の通り「身長÷2+5cm」が理想とされるカウンターの高さとされており、それを基準に自分の体型に合ったものを選ぶと良いでしょう。また、実際にショールームで立った状態で試してみると、より具体的に使い勝手をイメージしやすくなります。快適なキッチン作りのためには、デザインやブランドだけでなく、身体に合った寸法にも注目することが大切です。
ゴミ箱スペースについて

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キッチンで意外と見落とされがちなのが、ゴミ箱の置き場です。特に、ハイカウンターのカップボードを選んだ場合、下部に収納スペースが限られてしまうことが多く、ゴミ箱の設置場所に困るという問題が発生しやすくなります。美観を重視してハイカウンターを導入したものの、「見た目はいいけれど、ゴミ箱のスペースがまったく足りない」と感じる声も一部で見受けられます。
たとえば、燃えるゴミ、プラスチック、資源ごみなど分別が必要なご家庭では、1つでは足りず、2〜3個のゴミ箱を設置する必要がある場合もあります。そうなると、収納とゴミ箱のスペースを両立するのが難しくなり、キッチン内の動線にも支障が出てくる恐れがあります。また、たとえばデザイン性の高いキッチンに、色や形の異なる市販のゴミ箱が並ぶことで、視覚的に雑然とした印象になることがあります。
このような事態を避けるためには、購入前の段階で必要なゴミ箱のサイズや個数を明確にし、それらが問題なく収まるスペースが設けられるかどうかを確認しておくことがとても大切です。可能であれば、引き出しタイプのゴミ箱収納や、カウンター下にゴミ箱を隠せる設計のユニット(例:パナソニックのキッチンキャビネット用ダストボックスユニットなど)を導入することで、使い勝手と美観の両立を図ることができます。
ハイカウンターのカップボードは後悔する?デメリットまとめ

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- トクラス製カップボードの特徴と注意点
- カウンターのみ収納のおすすめ
- 吊り戸棚なしで後悔した実例
- リクシルのカップボード、下だけで後悔
- デメリットを解消する工夫とアイデア
トクラス製カップボードの特徴と注意点

トクラス・公式
トクラス製のカップボードは、上質な素材感とシンプルで美しいデザイン、そして長年の実績に裏打ちされた耐久性などで高く評価されています。また、天板や扉のカラーバリエーションも豊富で、自分好みのキッチン空間を演出しやすい点も魅力のひとつです。ただし、こうした利点がある一方で、すべての家庭に最適というわけではないという側面もあります。
他メーカーと比べると、サイズやデザインのカスタマイズ自由度がやや限られていると感じる方もいます。特に間取りやキッチンのレイアウトに合わせた柔軟な設計を求める家庭にとっては、トクラス製品の標準規格が十分にフィットしないことがあります。たとえば、収納力を最優先したい家庭では、トクラスの中でも「Bb」シリーズなどコンパクトなモデルでは収納スペースが不足し、後から「もっと容量の大きいタイプを選べばよかった」と感じてしまうケースもあります。
また、トクラス製品はシンプルな機能性を重視しているため、他社のような高度な家電収納機能や特殊なオプションを重視する場合には、やや物足りなさを感じることもあるでしょう。家電の収納場所や配線スペースに関しても、事前に確認しておかないと、使用開始後に「思ったより使いづらい」と感じてしまう可能性があります。
そのため、購入前には自分たちのライフスタイルやキッチンの使い方に合った機能や容量をしっかりと整理し、優先順位を明確にしておくことが大切です。そうすることで、自分たちにとって最も満足できる製品を選ぶことができ、導入後の後悔も少なくなるでしょう。
カウンターのみ収納のおすすめ

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一部のユーザーからはカウンターのみの収納タイプが使いやすいという声もあります。これは、吊り戸棚がなくなることで視界がすっきりと広がり、圧迫感のない開放的なキッチン空間を実現できる点が大きなメリットです。特に、天井が低い住居や狭めのキッチンで効果を発揮し、視覚的な広さを感じさせてくれるため、インテリア性を重視する方には支持されています。
また、吊り戸棚がないことにより、手の届きやすい高さで調理や片付けを行いやすくなり、小柄な方や高い位置の収納が苦手な方にとっても扱いやすい構造です。加えて掃除の面でもメリットがあります。吊り戸棚の上部はホコリがたまりやすく掃除が大変な場所ですが、それ自体がなければ日々の清掃も簡単になり、キッチンを清潔に保ちやすくなるという利点もあります。
その分収納量は当然ながら減ってしまいます。たとえば、ストック品を最小限に抑える家庭や、日用品を別の収納に分けて管理できる家庭には向いているかもしれませんが、日常的に調理器具やストック品、キッチン家電が多く出入りするような家庭では、収納不足を感じてしまうことが多いかもしれません。調味料や乾物、来客用の食器など、普段は使わないがしまっておきたいものの置き場がなくなり、収納が追いつかないと、日常的に調理スペースが雑然としやすくなり、料理のしやすさや片付けの効率に影響を与えるおそれもあります。
そのためカウンターのみの収納タイプを選ぶ際は、必要な収納量をあらかじめ明確にし、他の家具やパントリーなどで補えるかどうかを検討することが重要です。見た目の美しさと実用性のバランスを意識して選ぶことが、後悔のないキッチンづくりのポイントになります。
吊り戸棚なしで後悔した実例

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逆に、吊り戸棚を付けなかったことを後悔しているという声も少なくありません。収納量が全体的に不足し、その結果としてキッチンまわりが散らかりやすくなる傾向があるからです。特に、調理器具や家電製品、食器類を多く持っている家庭では、収納スペースの不足が日常のストレスにつながりやすくなります。
例えば、普段あまり使わない大きな鍋や来客用のティーセット、季節限定の調理道具などは、使用頻度が低いため手の届きにくい吊り戸棚に保管しておくのが一般的です。しかし、吊り戸棚がない場合、これらを仕舞う場所がなく、仕方なく作業台やキッチンワゴンの上に置いておくことになり、作業スペースが狭まり効率も落ちてしまいます。収納スペースは、吊り戸棚1つでおよそ0.3〜0.5㎡ほど確保できるため、その分を補う必要があります。
また、見た目のすっきり感を重視して吊り戸棚を省いた結果、後から「収納が足りない」と感じて後付けのラックや収納棚を設置しなければならなくなり、当初の統一感あるデザインが損なわれてしまうこともあるようです。どうしても吊り戸棚を付けたくない場合は、背の高いパントリー収納や造作棚で代替する方法も検討するとよいでしょう。
こうした事態を避けるためには、日常的にどれだけの収納が必要なのかを事前に把握し、吊り戸棚の有無が生活スタイルにどのような影響を与えるかを具体的にシミュレーションしておくことが重要です。収納量と使いやすさのバランスを慎重に見極め、自分たちにとって最も快適なキッチン空間を設計することが、後悔を防ぐカギになります。
リクシルのカップボード、下だけで後悔

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リクシルのカップボードで「下だけ」の仕様を選んだことで、後悔するケースもあります。理由として多いのが、収納が思ったよりも足りなかったという点と、見た目に少し物足りなさを感じることがあるという点です。たとえば、リクシルの「ノクト」シリーズでは、下台のみの構成を選べるプランが用意されており、デザイン性を重視した選択肢として人気があります。
特に、収納力を重視する家庭では、下部収納だけでは調理器具やストック品を収めきれず、結果としてカウンター上や周辺に物が溢れてしまい、使い勝手が悪くなることがあります。電気ポットや調味料ラックなど、使用頻度の高いアイテムが常にカウンター上に置かれる状態になりやすく、日々の作業スペースが圧迫されることにつながります。
また、下だけのデザインはシンプルで圧迫感がないというメリットがある一方で、視線を遮るものがないため、キッチンとダイニングの一体感を重視する家庭には適している面もあります。しかし、空間全体がやや寂しく見えることもあり、キッチンにおける存在感が薄れてしまうという声もあります。
こうした後悔を避けるためには、前述の通り初めから自分たちのライフスタイルや持ち物の量を具体的に把握し、それに応じて収納力やデザイン性を兼ね備えたプランを選ぶことが大切です。特に、吊り戸棚の有無や収納内部のレイアウトなどを細かく確認し、必要なアイテムが無理なく収まるかを事前にシミュレーションしておくと安心です。
デメリットを解消する工夫とアイデア

ストウデン・イメージ
ハイカウンターのデメリットは、工夫次第で軽減することが十分に可能です。問題点を一つずつ洗い出し、日々の使い方に合った工夫を施すことで、見た目の美しさを損なうことなく実用性を高めることができます。
例えば、カウンターの高さに合ったスツールを用意すれば、作業時の姿勢が楽になり、長時間の調理でも疲れにくくなります。高さ調整可能なスツールを選ぶことで、家族全員が快適に利用できるようになります。また、ゴミ箱の置き場に悩んでいる場合には、ゴミ箱を収納できるワゴンや、引き出し式の専用スペースを設けることで、見た目のすっきりさと実用性の両立が可能です。
炊飯器の置き場にはスライド式の家電収納ユニットを活用すると、蒸気がこもりにくくなり、カウンターや周囲への影響を軽減できます。スライドさせて使用すれば、炊飯時の蒸気を直接排出できるため、湿気によるカビや結露のリスクも減少します。蒸気に弱い素材のカウンターや収納スペースであっても、この工夫があれば長持ちしやすくなります。
加えて照明を工夫することで、ハイカウンターの陰になる部分の視認性を高めたり、動線上のストレスを減らしたりすることも可能です。こうした細かな工夫を積み重ねることで、最初はデメリットと感じていた点も、実際には大きな問題ではなくなることがあります。このように、課題を一つずつ検討し、実際の生活スタイルに合わせて調整していくことで、より快適で満足度の高いキッチン環境を実現することができます。
グレイスキッチンの、
レンジフード前のグラビオエッジ&ハイカウンター部分がいらないとして
このスマートキッチンにするとしたら
赤丸部分の空間ってどう使う?
収納??
グレイスキッチンそのままでハイカウンターとかなくせれるならいいけど、、 pic.twitter.com/YSCZEgnOse— ねむ@一条工務店🌿グラスマ平屋 (@nemunemulife77) April 20, 2025
総括:ハイカウンターカップボードで後悔。デメリットは?
最後に記事のポイントをまとめます。
- 天板が高すぎると腕や肩に負担がかかる
- 目線が合いづらく家族とのコミュニケーションに支障が出る
- 身長によってはカウンター高さが合わず作業効率が落ちる
- デザイン性重視で実用性が犠牲になることがある
- ラクシーナのカップボードは収納や家電配置に制限が出る場合がある
- コンセントの配置が悪く延長コードが必要になるケースがある
- 炊飯器のフタがカウンター下で全開できず使いづらくなる
- 蒸気のこもりでカウンターや壁面にダメージが出る可能性がある
- ゴミ箱の置き場が確保しにくく収納との両立が難しい
- トクラスはデザイン性に優れるが収納力に制約があるモデルもある
- 吊り戸棚なしだと収納が不足しやすく後付け対応が必要になる
- カウンターのみ収納では開放感があるが収納量が不足しがち
- 下部収納だけでは使い勝手が悪く追加収納が必要になることがある
- 調理中の動線に無駄が生じる可能性がある
- 照明や収納の工夫で使いにくさはある程度軽減できる