カップボードをマンションに設置して後悔しないための、13の視点

マンションにカップボードを設置しようと考えたとき、多くの人が「思ったより費用がかかった」「使い勝手が悪かった」といった後悔を口にします。特に後付けによる費用の増加や、設置時に予想外の工事が必要になるケースは珍しくありません。また、キッチン内のゴミ箱の配置がうまくいかず、生活動線を妨げる結果になってしまうこともあります。

この記事では、そんな後悔を未然に防ぐための視点を幅広く解説します。人気のあるカップボードのおすすめポイントや、オーダーや外注による値段の目安、市販と比べたオプションの価格差、新築マンションで選ばれるカップボードの相場など、具体的な情報をもとに比較検討していただける内容です。

カップボードがあるなら食器棚はいらないのか？といった疑問にも触れながら、ニトリのような既製品の特徴や、造作カップボードのデメリットについても紹介します。失敗しないためには、見た目だけでなく日常の使いやすさや収納の柔軟性も重要です。

キッチン空間をより快適に、そして機能的に整えるための判断材料として、ぜひ本記事を参考にしてください。

カップボードをマンションに設置して後悔？

後付けの費用と設置の注意点

カップボードを後付けする場合、予想以上に費用がかかることがあります。これは、単に家具を設置するだけでなく、既存のキッチンの状態や配置に合わせてさまざまな調整が必要となるからです。特に、壁面の補強や下地の処理、さらに必要に応じた床の補修といった追加作業が発生することがあります。

たとえば、カップボード本体が10万円程度でも、電気工事や壁の補強などで追加費用が5〜10万円ほど発生するケースがあります。これは施工内容やキッチンの構造により異なりますが、見積もりを取る際に想定しておくと安心です。

また設置する位置によっては、家電の使用に対応するために電源を新たに引いたり、コンセントの数を増やしたりする必要も出てきます。例えば、電子レンジや炊飯器など、複数の家電を同時に使用することを想定した場合、それぞれが安全かつ安定して稼働するためには、電源容量（一般的な家庭用で30A〜40A）やブレーカーの配置を含めた設計の工夫が不可欠です。

家具と壁とのすき間をなくすための微調整や、既存の設備に干渉しないようにするための加工が必要になる場合もあります。これらの細かな作業は外からは見えにくいものの、施工の手間や費用に大きく関わる要素となります。

見た目はシンプルでも、後付けのカップボードには想定以上の工程とコストがかかることがあるため、導入には慎重な計画が求められます。計画の段階で、どの家電を使う予定か、動線をどう確保するかを明確にし、それに基づいた作業の内容を把握することで、思わぬトラブルや後悔を防ぐことができるでしょう。

キッチンのゴミ箱配置スペース付き

キッチンで後悔しやすいポイントのひとつが、ゴミ箱の置き場所です。日々の生活動線の中でゴミ箱の存在は非常に重要ですが、カップボードのデザインや設置を優先しすぎると、ゴミ箱を置くスペースが圧迫されてしまい、思わぬ不便を感じることがあります。

例えば、カップボードの引き出しを開けるたびにゴミ箱が邪魔になる、あるいはゴミ箱を通路のすぐそばに無理やり配置してしまい、キッチン全体の動線が悪くなってしまうといったケースが挙げられます。これでは、調理中の作業効率が落ちるだけでなく、掃除のしにくさや、複数のゴミ箱が視界に入りすぎて生活感が強く出てしまうなど、見た目の煩雑さにもつながります。

また、キッチン全体の収納や配置を考える際には、ゴミの分別数やゴミ箱の容量、蓋付き・なしといった仕様も意外と影響します。どれくらいの頻度でゴミを捨てるのか、何種類のゴミを分別しているのかなど、各家庭によって条件が異なるため、それに応じたゴミ箱の選び方と配置計画が求められます。

市販のスリムタイプの分別ゴミ箱（ニトリやアイリスオーヤマ製など）では、幅30〜45cmで3分別対応のモデルが主流で、価格はおおよそ5,000〜10,000円程度です。こうしたゴミ箱をどこに、どのように配置するかも、事前に確認しておくと後悔を減らせるでしょう。

さらに、ゴミ箱収納スペースをあらかじめ確保したカップボードも販売されています。引き出し内にゴミ箱が収まる設計になっているモデルや、扉付きで生活感を隠せるタイプなど、見た目と機能性を両立した製品もあります。こうしたカップボードを選ぶことで、ゴミ箱の置き場に悩まず、すっきりとしたキッチン空間を保ちやすくなります。

失敗を避けるためには、カップボード単体の見た目や機能だけでなく、キッチン全体をひとつの空間として捉え、ゴミ箱の設置位置やサイズ、家電との干渉といった点にも目を向けて動線全体をデザインすることが重要です。

使いやすいカップボードのおすすめは

カップボードは収納力だけでなく、日常の使いやすさが非常に重要です。収納力が十分でも、実際の使い勝手が悪ければ、日々の調理や片付けがスムーズに進まず、ストレスの原因になってしまいます。特に、家電のサイズや使用頻度に合わせて棚の高さを調整できると、より快適に使うことができます。なお、可動棚は高さのみ調整可能で奥行きは固定の製品が一般的です。

例えば、炊飯器やトースターなどの調理家電は使用時に蒸気や熱が発生するため、蒸気を逃がすスペースや、熱に強い素材の棚を用意することで、安全かつ効率的に使用できます。引き出し式の家電ラックであれば、使うときだけ手前に引き出して、使用後は収納してスッキリと見せることができ、見た目と機能性の両方を満たすことができます。ニトリや無印良品では、引き出し式家電ラック付きのカップボードが販売されており、価格帯はおおよそ3〜7万円程度が主流です。

さらに可動棚の採用によって、ライフスタイルや持ち物の変化にも柔軟に対応できる点が魅力です。季節ごとに使用する調理器具のサイズが変わる場合や、新しい家電を追加したい場合にも、可動棚であれば対応しやすくなります。このように、見た目だけでなく、使い勝手を重視して設計されたカップボードを選ぶことが、長く快適にキッチンを使い続けるための鍵となります。

オーダーや外注の値段に驚く声

一見便利そうなオーダーメイドや外注でのカップボード制作ですが、その費用には注意が必要です。見た目や素材にこだわるほど、価格が高くなる傾向にあり、想定外の出費に驚くケースも少なくありません。

例えば、天然木材や高級塗装を使用した造作家具は、美観や耐久性に優れる一方で、材料費や加工費が大きくなりがちです。たとえば、オーク材やウォールナット材を使用した幅180cmのカップボードでは、仕様や仕上げにもよりますが、40万〜80万円前後になることがあります。また、寸法をミリ単位で調整するような複雑な設計を依頼すると、それに伴って設計費用や職人の手間賃も増加します。こうした細かな注文が積み重なることで、当初の予算を大きく上回ることがあります。

さらにオーダー家具は一般的に製作期間が長く、注文から納品・設置までに1〜2か月かかる場合もあります。その間に引っ越しやキッチン設備の準備を進める場合は、スケジュール調整に苦労することもあるでしょう。また、設置後に現場の壁の凹凸に対応するための追加加工や、配線の取り回し変更による電気工事費など、想定外の微調整や追加費用が発生するケースもあります。そのため、最初の段階で詳細な見積もりと納期を確認しておくことが重要です。

このように、オーダーメイドや外注は魅力的な選択肢である一方で、予算や納期、設計の自由度といった点で慎重な判断が求められます。理想のカップボードを実現するには、費用対効果をしっかりと見極めたうえで検討を進めることが大切です。

▶ 全国優良リフォーム会社への一括見積もりなら【リショップナビ】

オプション選択時の価格の落とし穴

新築マンションでカップボードをオプションとして追加する際には、その価格設定に対して誤解が生じやすく、結果的に後悔してしまうケースもあります。標準仕様に比べて、オプションとして提供されるカップボードは割高な傾向にあり、見た目や素材、収納量などを考慮しても、同等の収納量と機能を持つ市販カップボードが10〜15万円前後で購入可能であることを考えると、オプション価格との乖離を感じる方がいるのも無理はありません。

マンションによってはオプション内容が事前にパッケージ化されていることもあり、選択肢が限られてしまうことがあります。例えば、デザインや色がキッチン全体と合っていても、自分の生活スタイルに合った機能性が備わっていない場合、使用後に不満を抱く可能性もあります。また、オプションとして設置されたカップボードは基本的に取り外しができないため、後から別の家具に変更したくなっても柔軟に対応できません。

このような点を踏まえると、オプション品を導入する前に、家具店やインテリアショップで販売されている既製品やセミオーダーのカップボードと比較し、価格と仕様のバランスを見極めることが大切です。オプションだからといって安心せず、機能性や価格とのバランスを冷静に見極めることが、後悔のない選択につながるでしょう。

新築マンションでのカップボードの相場

新築マンションのカップボードオプションは、一般的に20万円から40万円程度が相場とされています。ただし、これはあくまで目安であり、実際の価格は使用される素材、サイズ、レイアウト、さらには施工内容によって大きく変動することがあります。特に、収納量の多い大型のものや家電対応の棚を含む高機能タイプを選ぶと、費用が50万円を超えることもあります。

また、施工業者の設定する標準仕様に対して、少しでも仕様変更を加える場合には追加費用が発生するケースも珍しくありません。例えば、扉のデザイン変更やソフトクローズ機能の追加など、細かい要望を反映させるほどコストは上がります。さらに、マンションによってはオプション価格に管理費や施工管理料が上乗せされていることもあり、たとえば指定業者による設置義務や共用部分への工事申請料が含まれる場合もあります。見積もりを取る際には、その内訳をしっかり確認することが大切です。

一方で、同等の機能を持つ市販品であれば、半額以下の価格で購入できることもあります。たとえば、大手家具メーカーやインテリアショップで販売されているカップボードは、デザインやサイズが豊富で、使い方に合わせて柔軟に選ぶことが可能です。市販品の場合、10〜20万円前後で購入できるモデルも多く、同等の収納量や機能を備えていることがあります。自分で設置できるタイプや、比較的簡単に業者に依頼できるものもあるため、費用を抑えつつ満足のいく収納環境を実現する手段となるでしょう。

相場を把握するだけでなく、自分にとって本当に必要な機能やデザインを明確にしたうえで、オプションと市販品の両方を比較検討することが、納得できる選択をするためのポイントです。

マンションにカップボードを導入で後悔を防ぐ

食器棚は本当にいらないのか？

カップボードがあるなら食器棚は不要と考える方もいますが、これは必ずしも正解ではありません。確かにカップボードには収納力があり、さまざまな用途に対応できるため、すべてを一台にまとめたいという希望は理解できます。しかし、用途や家族の人数、さらには生活スタイルによって、必要な収納量や機能は大きく異なります。

例えば、大家族や来客が多い家庭では、食器の種類や数が多くなる傾向があります。その場合、カップボードだけでは収納しきれず、結果的に別途収納場所を確保しなければならなくなることがあります。多くのカップボードでは、電子レンジや炊飯器といった家電を置くためのスペースが確保されているため、純粋に食器だけを収納できるスペースは意外と限られてしまいます。

実際に、日用品やストック品の収納スペースとしてカップボードを活用する事例も多く、調味料やお弁当箱、ティッシュ類などをまとめて収納する家庭もあります。こうした使い方をすると、食器を整理して収納するスペースが圧迫されるため、食器棚の併用を検討する価値が出てきます。

自分の暮らしに合った使い方を想定したうえで、どの程度の収納が必要なのかを具体的に把握し、カップボードと食器棚をどう使い分けるかを検討するのが賢明です。

ニトリ製品のメリットと注意点

ニトリのカップボードは、価格が手頃でデザインも豊富な点が魅力です。特に、限られた予算の中で機能的な収納を実現したいと考えている方には、コストパフォーマンスに優れた選択肢としておすすめできます。たとえば、「リガーレ」シリーズのカップボードは幅120cm前後で3万〜6万円台（セットモデルでは10万円程度〜）が多く、収納力とデザイン性を兼ね備えたモデルが多数揃っています。

また、ナチュラルな「リズバレー」や、シンプルな「ポスティア」など、シリーズごとに異なる雰囲気が用意されており、キッチンの雰囲気に合ったデザインを見つけやすいのも特長です。さらに、ニトリの製品は全国展開されているため、店舗で実物を確認できる点も安心材料となります。購入前に引き出しの動きや収納の容量、素材の質感などを自分の目で確かめることで、イメージとのズレを防ぐことができます。

ただし、組み立てやサイズ調整が必要なモデルも多く、DIYに慣れていない方にはやや手間がかかる場合があります。配送時の搬入経路の確認や、組み立てサービスの有無などもチェックしておくと安心です。DIYが苦手な方は、ニトリの有料組立サービスを利用することで、設置の手間を軽減できます。設置スペースとの相性や、家電との干渉がないかといった点を事前に確認し、必要であれば店舗スタッフに相談するのも良いでしょう。

価格と機能のバランスに優れたニトリのカップボードですが、選ぶ際には現物確認や設置条件の確認を丁寧に行うことが、満足度の高い買い物につながります。

造作カップボードのデメリットとは

造作カップボードは、空間にぴったりと合わせた設計ができるため、見た目や収納力の面で非常に魅力的です。天井の高さや壁の幅、キッチン全体のレイアウトに応じてオーダーメイドで制作されるため、一体感があり、使い勝手にも優れたものになります。

しかしその一方で、費用や施工期間がネックになる点は否定できません。既製品と比較すると、材料費や設計費、施工費が上乗せされるため、全体のコストは高くなりがちです。さらに、発注から設置完了までに1～2か月以上かかることもあり、引っ越しや新生活のスケジュールに影響することもあります。

また、一度設置してしまうと簡単には取り外せない構造になるため、後からレイアウトを変えたり、新たな家電に対応するためのスペースを確保したりするのが難しくなります。将来的に家電のサイズが変わった場合や、新しい機器を追加したくなった場合でも、造作部分が固定されていると柔軟に対応しにくくなります。

このような理由から生活スタイルの変化に柔軟に対応したい方や、家電の入れ替えを頻繁に行う予定がある方にとっては、造作カップボードはやや扱いにくい選択肢といえます。可動式の既製品や、後からユニットの追加・変更ができるモジュール式のカップボードを検討することも、有効な手段となります。例えば、IKEAやパモウナなどが提供するモジュール式カップボードは、後からユニットを追加・変更できる設計になっているため、生活の変化にも対応しやすい構造です。

自分に合ったカップボードの選び方

カップボードを選ぶ際は収納量だけでなく、生活動線や家電のサイズにも注目することが大切です。特にキッチンでは、調理・配膳・片付けといった一連の動作をいかに効率よく行えるかが日々の快適さを左右します。動きやすく、使いたいものがすぐ手に取れるレイアウトは、調理時間の短縮にもつながります。

たとえば使用頻度の高い炊飯器やトースターなどの家電は、腰の高さに配置することで、無理のない姿勢で使うことができ、身体への負担を軽減できます。これに加えて、棚や引き出しの奥行きや高さも調整することで、必要なアイテムを無理なく収納・取り出しできるようになります。

さらに、家族構成やライフスタイルに合わせて収納の使い分けをすることで、日常の効率がより高まります。例えば、お子様がいる家庭では、お弁当用品やカトラリーを低い位置にまとめることで、お手伝いしやすくなるという工夫も可能です。

自分や家族の使い方を具体的にイメージしながら、家電の大きさや使用位置、収納スペースの役割を明確にして最適なレイアウトを考えることが、満足度の高いカップボード選びに直結します。

家電や動線との相性も考えよう

カップボードの設置位置によっては、冷蔵庫やキッチンの作業スペースとの干渉が起こることがあります。特にキッチンは、前述の通り調理・配膳・片付けといった動作が集中する場所のため、動線がスムーズでなければ日常生活に支障が出る可能性があります。これを避けるには、動線を意識した配置を心がけることがとても重要です。

例えば、冷蔵庫のドアがカップボードの引き出しとぶつかるような位置関係になっていると、同時に使うことができず、ストレスを感じる要因になります。また、冷蔵庫から取り出した食材をすぐ隣の作業台に置けない、炊飯器のふたを開けるたびに人の通行を妨げるなど、実際にキッチンに立ってみないと気づかない不便さも存在します。

通路幅の確保も大切です。カップボードや冷蔵庫の扉を開いたときに人がすれ違えないほど狭くなってしまうと、家族でキッチンに立つ時間が苦痛になるかもしれません。前述の通り、家電との相性を考慮しながら、キッチン全体の使用イメージを具体的にシミュレーションすることが、快適な空間づくりには不可欠です。

新築マンションの内覧会終了〜

各取り付け
天井裏
各部屋床面、水平器も異常無し

壁紙1箇所不良を見つけたけど
それ以外はまあ満足

キッチンの後ろにも同じ大理石のカップボードを配置予定
ピザ生地も作れるかな？🤔#内覧会#キッチン#新築マンション pic.twitter.com/LQbCmJqGee

— ぐりぐり (@SouenGuriguri) September 3, 2023

マンションのカップボードで後悔しないための13のポイント

最後に記事のポイントをまとめます。