キッチンで使いたいときに限ってコンセントが足りない、そんな不便を感じたことはありませんか。特に1Kの賃貸住宅では、コンセントが2個しかない、あるいは位置が悪いなど、調理や家事の動線を阻害する問題が多く見られます。電子レンジや炊飯器、電気ケトルといった複数の家電を同時に使いたくても、延長コードに頼らざるを得ず、安全性が不安になる場面も少なくありません。
そのうえ、シンク側にあるコンセントは水がかかるリスクがあり、感電の危険性を考えると簡単には使えないのが現実です。こうした悩みを解消するために、キッチンカウンター周辺でコンセントを増設したいと考える人は多いでしょう。しかし、賃貸物件では原状回復の対象になる可能性があるため、勝手に工事することもできず、増設はどこで頼めばいいのか、交渉の仕方に悩む方も少なくありません。
最近では賃貸でも工夫次第で電源環境を改善できる時代になってきました。ただし、増設できない場所や安全面への配慮、さらには増設費用など、事前に知っておくべきポイントも多数存在します。
この記事では、賃貸住宅でキッチンカウンターのコンセントが足りないと感じている方に向けて、具体的な増設方法からDIYの可否、安全対策、そして交渉のポイントまで、実用的な情報をわかりやすく解説していきます。
- 賃貸物件でコンセントが足りない理由とそのリスク
- 安全に使える延長コードやタップの活用方法
- コンセント増設の方法と賃貸での注意点
- DIYや業者依頼時の費用や原状回復の考え方
キッチンカウンターのコンセントが足りない!賃貸での増設は?

ストウデン・イメージ
- 欲しいところにない、足りない!よくある悩み
- 1K賃貸でコンセントがない、位置が悪い
- コンセントが2個しかない。延長コードはどう使う?
- シンク側にあるコンセントは危ない?
- リクシルはコンセントを後付けできる?
欲しいところにない、足りない。よくある悩み

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キッチンでの作業効率は、適切な位置に十分な数のコンセントがあるかどうかによって大きく左右されます。特に電子レンジや炊飯器、電気ケトル、トースターなど、同時に使用したい家電が多いご家庭では、コンセント不足が深刻な問題になりがちです。これを放置すると、調理のたびにコードを差し替える必要があり、動作が中断されたり、火傷などのリスクが増す恐れもあります。
実際に多くの人が感じている不便のひとつが、限られた数のコンセントに家電を集中的に接続しなければならないという状況です。その結果、自然とタコ足配線になり、電源タップの定格容量(通常1,500W)を超えてしまうことで発熱や火災のリスクが高まります。安全面への不安はもちろん、何度もコードを抜き差しする手間もかかり、ストレスの原因になります。
例えば、夕食の支度中にミキサーを使おうとしても、すでに電子レンジ(約1,000W)と炊飯器(約700W)が稼働中で、これらを同時に使用すると電源容量をオーバーしてしまうため、どちらかを一時的に停止せざるを得ないといった場面が想定されます。こうした不便が毎日繰り返されることで、キッチンでの作業そのものに対するモチベーションが低下してしまうこともあるでしょう。
調理中は水を使用する機会が多く、手が濡れた状態でコンセントを操作することで感電の危険性が高まります。水は電気を通しやすいため、わずかな油断が大きな事故につながる可能性があります。火を使っている場合は、慌てて動いた拍子にやけどや転倒といった二次的な事故を招くリスクも否定できません。このような状況を避けるためには、必要な場所に安全に使えるコンセントを確保することが非常に重要です。
1K賃貸でコンセントがない、位置が悪い

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1Kのようなコンパクトな賃貸物件では、キッチン周辺のコンセント数が極端に少なく、暮らしの中で何かと不便を感じる場面が多くなります。特に自炊をする方にとっては、電子レンジや電気ケトル、炊飯器といった家電を同時に使いたくても、そもそも差し込む場所が足りず、作業が分断されるケースもあります。
それに加えて、コンセントの設置されている位置が調理スペースや収納場所、家電の配置とマッチしていないことが多く、配線が交差したり延長コードを使用しなければならない状況も生まれやすいです。こうした配線の取り回しが見た目の雑然さや安全性の低下にもつながり、キッチン全体の快適性を損ねてしまいます。
このような配置の問題には、建物自体の設計や築年数の古さが関係している場合も少なくありません。特に築年数が経っている物件では、家電を多用する現代のライフスタイルに対応しきれていない設計のまま使われていることがあります。例えば、冷蔵庫を壁際に置いたところ、唯一のコンセントがその背後に隠れてしまい、実質使えない状態になるといった事例もあります。
また、コンセントの数だけでなく「使えるかどうか」「生活導線と合っているか」といった視点も重要です。設置場所が高すぎたり、調理中に濡れた手で触れる場所にあったりするなど、実用性に乏しい位置にあることも問題です。このように、単に数が少ないというだけでなく、生活における利便性を大きく損なう配置の問題が複合的に存在しているのです。
コンセントが2個しかない。延長コードはどう使う?

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延長コードは一見すると手軽で便利な解決策に思えますが、使用方法を誤ると火災や感電といった重大な事故を引き起こすリスクがあります。特にコンセントが2個しかないような賃貸住宅のキッチンでは、家電を同時に使用するために、延長コードを多用する傾向が強まります。しかし、前述の通り延長コードにはそれぞれ定格容量(一般的には1,500W程度)があり、その上限を超えて電流が流れると、ブレーカーが落ちるだけでなく、配線の過熱や発火の原因にもなり得ます。
安全性を確保するためには、まず使用する家電の消費電力を確認し、延長コードの許容範囲内で運用することが求められます。特に消費電力の高い家電(電子レンジなど)は単独で使用し、他の機器とは併用しないようにするなどの工夫が必要です。加えて、延長コード自体の状態にも注意を払いましょう。長年使用していると、コードの外皮が劣化したり、頻繁な折れ曲がりで内部の配線が損傷していたりすることがあります。
また、床に這わせたままの延長コードはつまずきやすく、物理的なダメージが加わることで断線や発火の原因になることもあります。できる限り壁に沿って固定するか、マグネット付きの電源タップを活用して、見た目と安全性の両方を確保するようにしましょう。最終的には、延長コードに頼りきるよりも、使いやすく安全なコンセントの増設や配置見直しを検討することが望ましいです。
シンク側にあるコンセントは危ない?

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シンクの近くにコンセントがあると、水濡れによる感電のリスクが高くなります。これは、調理中に水がはねたり、洗い物をしている最中にうっかり水がコンセントにかかってしまうケースがあるためです。また、手が濡れた状態で家電を操作することが多いため、濡れた手で電源プラグを触ることで感電する危険性が高まります。
このようなリスクは、特に小さなキッチンや作業スペースが限られている場合に顕著に現れます。例えば、シンクのすぐ横にある壁面に設置されたコンセントは、水仕事と調理作業が重なる時間帯に特に注意が必要です。電気と水は本来相性が悪く、わずかな接触でも重大な事故につながる可能性があります。
コンセントの設置場所が不適切であることも問題の一因です。築年数の古い物件などでは、設計段階で家電の使用を十分に想定しておらず、水回りの近くにコンセントを設置している例も少なくありません。こうした配置は現代の使用状況にはそぐわず、見直しが必要な箇所といえます。
そのためシンク近くにコンセントがある場合には、できるだけ使用を控えるようにするか、防水カバーを設置するなどの安全対策を講じることが大切です。また、マグネット式の電源タップを使ってコンセント位置を遠ざける工夫や、コードの露出を抑える配線方法を検討することも有効です。安全にキッチンを使うためには、こうした小さな工夫の積み重ねが不可欠です。
リクシルはコンセントを後付けできる?

リクシル・公式
リクシルのシステムキッチン「リシェル」「ノクト」「シエラS」には、オプションとして手元に設置可能な2口コンセントが用意されています。これらは、新築やリフォーム時にシステムキッチンと一緒に導入することが想定されており、後付け設置は対応していない場合があります。そのため、賃貸住宅やリフォームが難しい環境では設置が難しいケースもあります。
コンセントはシステムキッチンの手前に取り付けられ、調理中のハンディ家電が使いやすい位置に配置できます。コードが扉に挟まれないようにするフックや、水滴から保護するカバーなど、安全性にも配慮された設計がされています。
ただし、これらのユニットは基本的にシステムキッチン本体に組み込む仕様であるため、壁や天板に穴を開ける加工が必要になることがあります。原状回復が求められる賃貸住宅ではこうした施工が難しいため、導入には注意が必要です。設置を検討する際には、必ず施工業者や管理会社と相談し、原状回復の可否を確認することが大切です。
リクシルのキッチン用コンセントは、設計段階から導入を計画することでその利便性を最大限に活かすことができる設備です。ただし、賃貸物件など後付けに制限のある環境では導入に慎重な検討が必要です。
賃貸でもできるキッチンカウンターのコンセント増設方法

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- 増やしたいときはどこで頼めばいい?増設の交渉はできる?
- DIYでも増設できるのか
- 増設できない場所に注意が必要
- 費用と原状回復の対象について
増やしたいときはどこで頼めばいい?増設の交渉はできる?

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コンセントの増設を希望する場合、まずは管理会社や大家さんに事前相談を行うことが必須です。これは、賃貸物件では原則として勝手な改修工事が禁じられており、無断で工事を行うと契約違反とみなされ、最悪の場合、退去や修繕費の請求といったトラブルに発展する可能性があるためです。そのため、どんなに小さな工事であっても、正式な手続きを踏むことが重要です。
交渉の際には、単に「コンセントが足りないから増やしたい」と伝えるのではなく、なぜ必要なのか、どのような場所にどの程度の増設を考えているのか、使用する機器や頻度など、できる限り具体的に説明することがポイントです。こうすることで、大家さんや管理会社も事情を理解しやすくなり、許可が得られる可能性が高まります。
実際には、オーナー側が生活の利便性向上や入居者の満足度アップにつながると判断すれば、費用の一部または全額を負担してくれるケースもあります。さらに、将来的に他の入居者にとってもメリットがあると見なされれば、物件の設備向上の一環として前向きに対応してもらえる可能性もあります。
交渉に入る前には、必要に応じて専門業者の見積もりや施工内容を提示するなど、準備をしっかり整えることも大切です。このように丁寧な姿勢で進めることで、安心してコンセントを増設できる環境を整えることができます。
DIYでも増設できるのか

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DIYでのコンセント増設は、電気工事士法により資格を持たない者が行うことは原則として禁止されています。無資格での電気工事には罰則が科せられる可能性があるため、注意が必要です。実際に壁や天板に新しい配線を行うには、国家資格が必要であり、自己判断での施工は重大な事故につながる恐れがあります。
しかし、近年では工具不要で取り付けができる便利なアイテムも多数登場しており、DIY初心者でも比較的安全かつ簡単に導入できる方法が注目されています。たとえば、置き型の電源タップやマグネット式の電源ユニットなどは、既存のコンセントに接続して使用することで、差し込み口の数や配置を調整できる便利なアイテムです。こうした製品は、キッチンカウンターの側面や冷蔵庫横の金属部分などに取り付けることができ、設置の自由度が高いのが特徴です。
デザイン性に優れたものも多く、キッチン空間の雰囲気を損なわずに実用性を高めることができます。また、家具やカウンターに後付けできるコンセント付きのアイテムとして、電源タップを内蔵した収納棚やワゴンなどが市販されています。これらは穴あけ不要でネジ留めや両面テープなどで固定できるため、原状回復が求められる賃貸物件でも導入しやすい点が魅力です。
たとえば、キッチンワゴンの側面にACコンセントとUSBポートを備えたモデルを追加すれば、スマートフォンの充電と家電の使用を同時に行えるなど、使い勝手が大きく向上します。
資格がなくても使える市販アイテムを上手に活用することで、安全性と利便性を両立させたコンセント環境を整えることが可能です。ただし、設置場所の安全性や家電の消費電力には十分に注意し、無理のない範囲で活用することが大切です。
増設できない場所に注意が必要

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賃貸物件でコンセントを増設する際には、設置場所に制限があることを事前に理解し、大家さんや管理会社の許可を得る必要があります。特に、水回りや火気の近く、または壁内に電気配線が密集している場所などは、安全性の観点から増設が難しい、あるいは完全に禁止されている場合もあります。これらのエリアでは、水や熱、電気が密接に関係しているため、ちょっとした施工ミスや判断の誤りが火災や感電といった重大事故につながるリスクをはらんでいます。
また、見た目には問題なさそうな場所でも、壁の内側にどのような配線が通っているかを正確に把握することは難しく、電気工事士の資格を持たない者がコンセントの増設作業を行うことは法律で禁止されております。そのため、専門業者に依頼する場合でも、事前に壁構造の図面や配線図などをもとに、安全な設置箇所を確認する必要があります。
たとえ電源タップを設置するだけであっても、設置する場所の環境によっては事故の原因となる可能性があるため、場所の選定には慎重さが求められます。例えば、床に置いたタップに水がこぼれる、コンロの熱でコードが劣化するといったリスクも見過ごせません。設置スペースの確保だけでなく、長期間の使用における安全性や利便性まで見越した上で検討を進めることが大切です。
増設費用と原状回復の対象について

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コンセントの増設には、材料費、工事費、設置にかかる人件費など、さまざまな費用が発生します。工事の内容によって価格は異なり、例えば既存のコンセントの差し込み口を増やすだけであれば約5,000円〜7,000円、既存の配線から分岐して新しい場所にコンセントを設置する場合は約12,000円〜14,000円、分電盤から専用回路を新設する場合は約16,000円〜30,000円が相場とされています。
設置する場所の条件や建物の構造、使用する部材のグレードによっては、それ以上かかる場合も珍しくありません。たとえば、壁の内部に配線を通す必要がある場合や、安全対策として専用ブレーカーの設置が必要なケースなどでは、費用が数万円単位で上乗せされることもあります。
また、コンセントの増設工事は専門業者に相談するようにしましょう。工事の手配にも時間とコストがかかる点にも注意が必要です。設置後に不具合が発生しないよう、配線や接続部の安全確認を入念に行うため、単なる材料費以上に施工の質が問われる作業です。
加えて賃貸契約においては「原状回復義務」が課せられていることがほとんどです。そのため、退去時には設置したコンセントを撤去し、壁や配線などを元の状態に戻さなければなりません。これには、壁に開けた穴の補修や隠蔽配線の撤去、取り外した設備の処分などが含まれ、これらの作業には追加の費用が発生する可能性があります。
したがって、コンセントを増設する際には、初期の導入コストだけでなく、将来的に発生するかもしれない原状回復費用も含めたトータルコストを事前に把握しておくことが重要です。特に賃貸物件では、設置前に管理会社やオーナーと十分に話し合い、書面での許可を得ることで、後々のトラブルを回避することにつながります。
原状回復の範囲や費用負担の考え方を詳しく知ることは、賃貸契約におけるトラブルを未然に防ぐための参考になります。
(参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」)
キッチンカウンターのコンセントが足りない、賃貸での増設まとめ
最後に記事のポイントをまとめます。
- キッチンでは家電が多く、コンセントの数が作業効率に直結する
- 電子レンジや炊飯器などの同時使用で電源容量を超える恐れがある
- コンセント不足によりタコ足配線が発生し火災リスクが高まる
- 水回りでのコンセント操作は感電事故の危険がある
- 賃貸の1Kではコンセントが少なく、配置も生活導線と合わない
- コンセントの位置が高すぎたり低すぎたりして使いづらい
- 延長コードには定格容量があり、超過使用はブレーカーが落ちる原因となる
- 古い延長コードの劣化や破損は発火リスクを伴う
- マグネット付き電源タップは安全性と配線美を両立できる
- シンクの近くにあるコンセントは水濡れによる感電のリスクが高い
- リクシルのシステムキッチンには手前設置型コンセントオプションがある
- 賃貸でのコンセント増設には管理会社や大家の許可が必要
- DIY増設は電気工事士の資格がなければ法的に行えない
- ネジ止めやテープ固定型の市販品なら賃貸でも導入しやすい
- 原状回復義務があるため、増設前にトータルコストの把握が必要