1LDKの賃貸物件で一人暮らしをしていると、カウンターキッチンのレイアウトに悩むことが多くあります。特に対面キッチンはおしゃれな反面、リビングとの境界が曖昧になりがちで、幅が狭い空間では収納や動線の確保が課題になりやすいものです。8畳や10畳のリビングにカウンターキッチンを設置した場合でも、家具の配置や水切りラックの使い方、冷蔵庫の配置次第でぐっと快適な空間に変わります。
この記事では、狭い1LDKレイアウトでも空間を有効活用できるカウンターキッチンの工夫を紹介します。限られたスペースでもすっきり見せる収納のコツや、後付け可能なおしゃれな対面キッチンカウンターのアイデア、さらには二人暮らしにも応用できる実例まで幅広くカバーしています。
使い勝手とデザインを両立させたい方、日々の生活をもっと快適に整えたい方に役立つ情報をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
- 狭い1LDK賃貸でも快適に使えるカウンターキッチンのレイアウト方法
- 冷蔵庫や水切りラックなどの配置による動線と収納の工夫
- 対面キッチンとリビングをゾーニングする具体的な家具活用術
- 一人暮らしから二人暮らしまで応用できるキッチンの実例とアイデア
カウンターキッチンが狭い?1LDK賃貸のレイアウト術

ストウデン・イメージ
- 1LDKのレイアウトに最適な収納術とは
- 狭いカウンターキッチンで水切りを上手に使う
- 幅が狭いキッチンの冷蔵庫配置テクニック
- 対面キッチンとリビングの狭い動線を改善
- カウンター上の収納をおしゃれに見せる方法
1LDKのレイアウトに最適な収納術とは

TKUIN・公式
1LDKの狭いキッチンでは「縦の空間を活かした収納」が効果的です。限られた横幅の中で多くの物を収納しようとすると、どうしても作業スペースが狭くなり、動きづらくなってしまうからです。そこで、吊り戸棚や壁面収納など、上部のスペースを積極的に活用することで、床面積を使わずに収納力をアップさせることができます。
例えば、マグネット式のキッチンラック(例:TKUINのマグネットラック3点セット)を使えば、調味料やよく使うキッチンツールを手元に置きながら、スッキリと整理することが可能です。マグネット式なので、壁を傷つけずに取り付けられ、賃貸でも安心して導入できます。ただし、設置する壁がスチール製であるかどうかを事前に確認しておく必要があります。
また冷蔵庫上の収納棚やカゴを用いることで、普段使わない調理器具やストック品などを収納するスペースとして活用できます。これらの収納棚は高さや幅が調整できるタイプも多く、冷蔵庫に合わせた柔軟な設置が可能です。
さらに、デッドスペースになりがちなシンク下やカウンター下にも、引き出し式ラックやスタッキング可能な収納ボックスを導入することで、収納量を増やす工夫ができます。これにより限られたキッチン空間を最大限に有効活用できます。
空間を立体的にとらえて収納を工夫することで、限られたスペースでも快適に料理や家事ができる環境が整います。いずれにしても、見せる収納と隠す収納をバランスよく取り入れ、整理整頓しやすい仕組みを作ることが、機能性と見た目の両立に大きく貢献するのです。
日本の住宅事情では、限られた空間を有効活用するための収納術が重要です。最新の住宅・土地統計調査によれば、共同住宅の増加傾向が見られ、特に都市部では狭小住宅が一般的となっています。
(参考:総務省統計局「住宅・土地統計調査」)
狭いカウンターキッチンで水切りを上手に使う

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狭いキッチンでは、水切りカゴの置き場に困る人が非常に多く、調理スペースを圧迫してしまう原因にもなります。こうした悩みを解消するには、シンクの上に設置できる水切りラックを活用するのが効果的です。シンクの上の空間を活かすことで、作業台を占領せずに済み、調理や洗い物の効率を損なわずに済むからです。
例えば、2段式の水切りラックとしては、TOPPYAのシンク上水切りラックなどが代表的です。上下に収納スペースが分かれているため、皿やコップ、カトラリーを分類して収納でき、見た目もすっきり整います。また、一部の製品にはフックが付属しており、お玉やフライ返しなどのキッチンツールを吊るすことも可能です。調理中にツールを探す手間が省け、動線の効率化にもつながります。
水はけトレー付きのモデルを選べば、排水が自動でシンクに流れる構造になっており、水滴が溜まりにくく、清潔な状態を保ちやすいという利点もあります。特に自動排水機能付きタイプは、忙しい家事の合間でも衛生的な環境を維持しやすく便利です。
ただし、導入時にはラックのサイズがシンクの幅に合っているか、耐荷重は十分かなどを事前に確認することが大切です。誤ったサイズを選ぶとスペースを取りすぎたり、安定性が低下して危険が伴う場合があります。
幅が狭いキッチンの冷蔵庫配置テクニック

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キッチンが狭いと、冷蔵庫の置き場所にも悩みがちです。特に1LDKなど限られた空間では、少しの配置ミスが調理中のストレスにつながることも少なくありません。このようなときに意識したいのが、冷蔵庫のドアの開閉方向と人の動線です。たとえば、冷蔵庫をカウンター横に配置することで、調理中の移動がスムーズになり、食材の取り出しや片付けの流れも効率的になります。
冷蔵庫の配置にはコンセントの位置だけでなく、周囲の家具との距離や、ドアの開き方が壁や他の設備に干渉しないかも重要なチェックポイントです。場合によっては、左右どちらにも開くことができる「左右開き対応ドア」の冷蔵庫を選ぶことで、設置場所に合わせて柔軟に対応できるのも魅力です。
また、冷蔵庫の背面や側面には放熱のためのスペースを確保する必要があります。放熱スペースが不足すると、冷蔵庫の効率が悪化し、故障や電気代の増加につながる可能性があるため、最低でも背面に5cm以上、側面に1〜2cm程度の隙間を設けることが推奨されています。
壁との隙間を活用してスリムなストッカーを設置すれば、調味料や保存食品の収納スペースとしても使えるため、空間をより有効に使うことができます。
このように、冷蔵庫の配置を工夫することで、狭いキッチンでも動きやすく、使い勝手の良い空間にすることが可能です。スペースを最大限に活かすには、冷蔵庫のサイズ、扉の向き、電源の位置、そして放熱スペースなど、複数の条件を総合的に考慮することが欠かせません。
対面キッチンとリビングの狭い動線を改善

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狭い1LDKで対面キッチンを採用している場合、キッチンからリビングへの動線が窮屈になりやすく、日常生活において不便を感じることがあります。特に、料理中に誰かがリビングからキッチンに出入りする場面では、すれ違う際にぶつかったり、作業の妨げになることもあります。このようなストレスを軽減するためには、家具配置によるゾーニングが非常に有効です。
例えばカウンターの背後に背の低い収納棚やチェストを設置することで、視界の抜け感を保ちつつ空間を区切ることができます。この配置により、キッチン側とリビング側をゆるやかに分離でき、動線も明確になります。
収納棚は単なる仕切りとしてだけでなく、調理器具や日用品をしまう実用的なスペースとしても活用できるのがメリットです。例えば、ニトリの「Nクリック」シリーズのようなカスタマイズ可能な収納棚は、空間に応じて高さを調整でき、柔軟なレイアウトが可能です。
また、家具の配置に合わせてラグや照明の位置を調整することで、空間の印象が大きく変わります。照明をリビングとキッチンで分ける際には、キッチン側にはスポットライトやライティングレール、リビング側にはペンダントライトやシーリングライトなど、光の高さや色味に変化をつけることで、エリアごとの独立性を演出できます。
もちろん、通路幅は最低でも60cm以上、できれば70〜80cm程度確保すると、二人ですれ違う場面でも快適に移動できます。これは食事の配膳や掃除の際の動線確保にも直結するため、設計段階や家具配置の際には特に意識したいポイントです。
このように、家具の高さや配置、照明の工夫を取り入れることで、狭い1LDKの対面キッチンでも、より機能的で暮らしやすい空間づくりが可能になります。
カウンター上の収納をおしゃれに見せる方法

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カウンター上は視線が集まりやすい場所であり、キッチン全体の印象を大きく左右します。だからこそ、おしゃれに見える収納を意識することが、空間づくりにおいて非常に重要になります。生活感を抑えるためには、統一感のある収納アイテムを選ぶことがポイントです。
例えば、無印良品のアカシア材トレイなど、自然素材を使った製品は、整然とした印象を与えるだけでなく、木の温もりを空間にプラスしてくれます。
加えて、カウンター上に小さなグリーン(例:ミニ観葉植物やフェイクグリーン)、アロマキャンドル、アート系の小物(例:ポストカードやスタンド型フレーム)を飾ることで、空間にアクセントを加えることが可能です。
これにより、キッチンとリビングの境界があいまいになる1LDKの間取りでも、インテリアの一体感を持たせやすくなります。また、季節感を取り入れた雑貨や布製アイテム(ランチョンマットやクロス)を加えると、気分に合わせた模様替えもしやすくなります。
ただし物を置きすぎてしまうと視界がごちゃつき、かえって狭さを感じさせてしまうこともあるため注意が必要です。目安としては、カウンターの1/3程度のスペースを装飾に使い、残りは作業や配膳に使えるように空けておくとバランスが良くなります。
そのためには定期的にアイテムを見直し、必要のないものは撤去する習慣をつけるとよいでしょう。さらに、日常的に使うものと装飾品を分けて配置するなど、ゾーニングの意識を持つことで、機能性とデザイン性を両立させることができます。
一人暮らしの狭い賃貸に合うカウンターキッチンレイアウト

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- 10畳リビングのカウンターキッチン活用例
- 8畳の対面キッチンレイアウト実例
- 対面キッチンにおしゃれなカウンターは後付けできる?
- 二人暮らしにも応用できる配置例
- リビングとキッチンを仕切る家具の使い方
10畳リビングのカウンターキッチン活用例

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10畳程度のリビングにカウンターキッチンがある場合、空間の使い方を工夫することで、限られた面積でも広々とした印象を与えることができます。カウンターを食事スペースとして活用し、あえてダイニングテーブルを置かないというレイアウトが有効です。
床面が広く使えるようになり、リビング全体にゆとりが生まれます。また、家具の数が減ることで、掃除の手間も軽減され、生活動線もスムーズになります。
カウンターの使い方次第で、作業スペースや収納としても兼用できるため、多機能な空間づくりが可能です。たとえば、カウンター下に収納棚を設けたり、上部に吊り棚を設置することで、調理器具や日用品をすっきり収納することができます。アイリスオーヤマや山善などのメーカーからは、カウンター下に設置できるスリムな収納ラックが販売されており、手軽に導入できます。
ただし、カウンターの奥行きや高さが使いやすいサイズでない場合には注意が必要です。一般的には、カウンターの奥行きは45〜60cm、高さは85〜95cm程度が適正とされています。スツールを選ぶ際は、座面の高さがカウンターの高さから25〜30cm低いものを目安にすると、自然な姿勢で座ることができます。脚置きのあるタイプを選ぶことで、長時間座っても疲れにくくなり、快適性が向上します。
このように、10畳という限られたリビングでも、カウンターキッチンを中心にレイアウトを工夫することで、快適で開放的な住空間を実現することができるのです。
8畳の対面キッチンレイアウト実例

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8畳のリビングに対面キッチンがある場合、家具の配置にひと工夫加えることが、快適な生活空間をつくる鍵となります。限られたスペースを無駄なく使うためには、家具選びとその配置が重要です。前述の通り、圧迫感を避けるには背の低い家具を選ぶことが基本ですが、それだけでなく、家具の色合いや素材感にも配慮することで、視覚的により広く感じさせることができます。
例えば、ローソファやローテーブルといった低めの家具を中心に配置することで、視線の抜けを確保しやすくなり、天井までの高さを感じさせる効果が得られます。さらに、明るい色味や脚付きの家具を選ぶことで、床面が多く見えるようになり、空間全体に開放感を持たせることができます。
また、家具を壁際に寄せて配置することで、中央部分にゆとりが生まれ、移動しやすい動線を確保することができます。動線を遮らないようなレイアウトにすることで、複数人で過ごす場面でもストレスが少なくなります。壁を利用して壁掛けの収納や飾り棚を取り入れると、収納と装飾を両立でき、省スペースでありながら個性を演出できます。
家具の高さ、配置、色、形に注目しながらコーディネートすることで、8畳の空間でも広がりと快適さを感じられるリビングを実現することが可能です。
部屋全体をこまめに片付けるよりも、狭い範囲で限定した方が簡単で続きやすい。
我が家は、テーブルとキッチンカウンターには物を放置しないように意識して片付けてる。
片付けにおいて大事なのは、『結果』よりも『継続』。
無理せず自分ができる範囲で、スッキリ心地よい暮らしを楽しんでる。 pic.twitter.com/zqUHQr4CuE— ひよこ|ぼちぼち暮らしを楽しむ (@hiyo_ko73) November 6, 2023
対面キッチンにおしゃれなカウンターは後付けできる?

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対面キッチンにカウンターがない場合でも、後付けで設置することは十分に可能です。特に最近では、賃貸物件でも使えるように設計された自立式のカウンターテーブルが多数販売されています。
たとえば、組み立て式で壁に固定せずに使えるカウンターテーブルが1万円台〜2万円台で購入できます。こうしたアイテムは壁に穴を開ける必要がないため、原状回復が求められる賃貸住宅でも安心して導入できます。デザインもシンプルなものから、棚付きの多機能タイプまで豊富に揃っており、部屋のテイストに合わせて選ぶことが可能です。
たとえば、作業台とダイニングスペースを兼ね備えたタイプを設置すれば、限られたキッチン空間を最大限に活用することができます。調理の下ごしらえをするスペースとしても活用でき、来客時には軽食やコーヒーを楽しむカウンターとしても使えます。天板の下に収納が付いているものを選べば、調味料やカトラリー類などの小物を整理する場所としても非常に便利です。
さらに、キャスター付きのカウンターテーブルを選ぶことで、用途に応じて位置を変えられる柔軟性も得られます。作業台としても使え、不要なときは壁際に寄せて省スペースで収納できます。掃除の際も簡単に移動できるため、日々の暮らしに適した実用性があります。
賃貸物件では原状回復義務があるため、必ず壁に穴を開けないタイプや床を傷つけない素材・構造のものを選ぶように注意が必要です。脚部に滑り止めやフロアマットを使うことで、床へのダメージをさらに抑える工夫も有効です。
このように、後付けカウンターは見た目だけでなく、機能性や使い勝手の面でも非常に優れており、対面キッチンの満足度を大きく高めてくれる選択肢と言えます。
二人暮らしにも応用できる配置例

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一人暮らし向けのカウンターキッチンレイアウトは、二人暮らしにも十分に応用可能です。空間を最大限に活かすことで無駄のない動線を確保しつつ、暮らしやすい住環境を作ることができます。
例えば、キッチン横に2人用のコンパクトなダイニングセットを配置することで、食事スペースとしても活用できるのはもちろん、ちょっとした作業やリモートワークの場としても機能します。たとえば、LOWYAの「ダイニングテーブルセット 3点 2人用」は、幅70cmのテーブルとチェア2脚のセットで、約1万円台から購入可能です。
二人分の生活用品が加わることで、収納スペースが不足しがちになる点には注意が必要です。このような場合には、座面下に収納があるタイプを活用したり、引き出し式収納を取り入れるのがおすすめです。これにより、空間を圧迫せずに収納力を向上させることができます。
さらに壁面や天井付近の空間を活かして吊り棚を設けるなど、縦方向の収納も視野に入れると、より効率的に空間を使うことができます。
限られたスペースでもレイアウトや家具選びを工夫すれば、二人暮らしでも快適に暮らせるキッチンとダイニング空間を実現することができます。
リビングとキッチンを仕切る家具の使い方

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リビングとキッチンの空間を分けるには、前述の通り家具を活用したゾーニングが非常に効果的です。特に賃貸住宅では、壁を新たに設けることが難しいため、家具で自然にエリアを仕切る工夫が重要になります。
たとえば、カウンターの背面に高さのあるシェルフやオープンラックを設置することで、収納としての役割を果たしつつ、リビングとキッチンの視覚的な境界を明確にすることができます。
このような家具は空間を完全に遮ることなく、程よい「抜け感」を演出するのに適しています。さらに、シェルフの上部に小物や観葉植物を配置すれば、デザイン性が高まり、インテリアのアクセントとしても活躍します。照明を組み合わせることで、より温かみのある空間に演出できるのもメリットです。
また、可動式のパーテーションやワゴンなどを使えば、ライフスタイルに合わせて配置を変えることができ、模様替えや生活スタイルの変化にも柔軟に対応できます。むしろ、固定された壁よりも柔軟性があり、部屋の印象を季節ごとに変えることも可能です。こうしたゾーニング手法は賃貸において特に有効であり、限られた空間を最大限に活かすための現実的な方法と言えるでしょう。
総括:1LDK賃貸の狭いカウンターキッチンのレイアウトを一人暮らし向けに工夫
最後に記事のポイントをまとめます。
- 吊り戸棚や壁面収納で縦の空間を活用する
- マグネットラックで壁を傷つけずに収納を増やす
- 冷蔵庫上を収納棚で有効活用する
- シンク下やカウンター下に引き出し式ラックを設置する
- シンク上の水切りラックで作業スペースを確保する
- フック付きラックでキッチンツールの収納効率を上げる
- 自動排水付き水切りトレーで衛生管理をしやすくする
- 冷蔵庫の開閉方向と動線を意識した配置にする
- 放熱スペースを確保して冷蔵庫の効率を保つ
- カウンター背面に収納棚を置いてゾーニングを明確にする
- 照明の配置でキッチンとリビングの印象を分ける
- カウンター上の収納は素材と色を統一しておしゃれに見せる
- カウンターを食事・作業兼用スペースとして活用する
- 可動式のパーテーションで空間を柔軟に仕切る
- ローソファや脚付き家具で視線の抜けと開放感を出す